就活転向すべき?それとも受験継続すべき?【3】
中途採用市場が売り手市場となり、かつ企業コンプライアンスの重要性が叫ばれるようになった今、法務求人が増えているのは間違いありません。
そのような意味で、司法浪人の就活はかつてよりもやや易しくなっているといえます。
しかも、司法試験合格のための勉強に比べたら、書類作成と面接準備を中心とする就活は、はるかに楽です。
法律知識が問われることはほとんどありませんし、TOEICなどの英語やSPIの勉強はむしろ新鮮で面白いとさえ言えます。
もっとも、ナメてはいけないのも事実です。
書類作成においても面接準備においても、しっかりとした自己分析や企業研究が必要となりますが、これはなかなかに大変な作業です。
また、面接の巧拙は予め持っている能力によるところが大きいため、コミュ力のない人にとってはより多くの訓練が必要でしょう(もっとも個人事業主である弁護士のほうが求められる営業力・コミュ力はより高いと思うので、いずれにせよ必要になることです)。
作業内容だけではなく、金銭面でもハードルはやや高いです。
まず、就活するうえでたくさんの物が必要になります。
たとえばリクルートスーツを持っていない人は多いのではないでしょうか。
また、交通費もバカになりません。
とくに法務求人は、「首都圏:関西:その他=7:2:1」という感覚です。
一次面接はほとんどの場合交通費宿泊費が払われないので、地方在住だと苦労するでしょう。
このように、就活も司法試験ほどでないにせよ決して簡単なものではないので、この点もよく考えたうえで就活転向するか否か検討する必要があります。